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絵師
米倉斉加年の世界

 日光市・小杉放菴記念日光美術館

            (終了)
日光個展ポスター●絵画
米倉斉加年氏は、(1976(昭和51)年に、「魔法教えます」(偕成社)により、第13 回ボローニャ国際児童図書展の「子供の本のグラフィック大賞」を受賞。翌1977(昭 和52)年の第14回同展でも、自作の絵本「多毛留」(偕成社)が「青少年の本のグラ フィック大賞」を受賞して、世界で初めて2年連続の大賞受賞者となるなど、絵師・ 絵本作家としても知られるようになりました。

それらの絵本では、細密で巧緻な描法によって妖しく幻想的な世界が確立されており、ひとつの絵画表現として見ても、独創的で、優れた作品に仕上がっていますが、とくに「多毛留」や「おとなになれなかった弟たちに…」などの自作絵本は、生まれ故郷の福岡の風土に根ざした朝鮮への思いや、自らが幼い頃に体験した戦争による悲しい記憶と真正面 から取り組み、文章と絵画を見事に融合させて芸術的に昇華した作品だということができるでしょう。
また、そこには戦争に対する日本人としての責任と真摯に向き合い、表現者である自らの生き方を模索し続けながら、それに深いところで関わる芸術の根源を極めようとする営みを見て取ることができます。

近年、「絵本」の読者層は小さな子供たちだけにとどまらず、大人の鑑賞にも耐える、独立した総合的芸術の一分野であるとの認識を新たにされるようになりました。そして、その根底には、古くからの日本美術の伝統ともいえる特色が、さまざまな形で生かされていることも認められるでしょう。

今回の展覧会では、小杉放菴の画業においても重要な位置を占めていた、この「絵本」の世界における現代の典型として、米倉斉加年の絵本の原画をご紹介したいと思います。
(小杉放菴記念日光美術館「絵師・米倉斉加年の世界」展より抜粋)
 

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